ロマン派の音楽

ロマン派のピアノ作品を弾くなら読んでおきたいですね。

★「1冊3分で分かる!ピアノ教本マガジン」vol.397(2016年3月16日配信)より

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『 ロマン派の音楽 歴史的背景と演奏習慣 』アントニー・バートン・編

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いつもこのブログをお読みいただき、
本当にありがとうございます。

株式会社リーラムジカの藤 拓弘です。

今日ご紹介するのは、

「ロマン派の音楽 歴史的背景と演奏習慣」

という書籍です。

このメルマガの読者様は、ほとんどが
ピアノ指導者の方ではと思います。

それだけに、音楽の歴史や背景、演奏習慣に
ついてはご興味がおありでしょう。

今回は、ロマン派の音楽についての書籍のご紹介です。

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◆今日のチェックポイント◆
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本書の「まえがき」から引用すると、

「この『ロマン派の音楽―歴史的背景と演奏習慣』が書かれたのは、
いろいろな時代に作曲家が期待したであろうことを発見し、その知識
を自分の演奏に生かす助けとするためである(中略)われわれが望む
のは、読者がこの手引きを『正しい』解釈をするための規則集として
扱うのではなく、様式にかなった演奏(stylish performance)―過去
における作曲家の創意と現在における読者自身の想像力との協働―を
行なうために必要な情報源として扱って欲しいということである」

とあります。

本書は3巻シリーズの完結編。

この書籍は、1828年(ベルリオーズの作品1)から
1914年頃(ラヴェル・ドビュッシーを含む)までの、

ロマン派時代を対象とした演奏の手引き書といえます。

「まえがき」にもあるようにシリーズ3巻は、
どれも同じ構成をとっています。

最初の章で、その時代の音楽の歴史的背景を概観。

その後、各時代の演奏家の解釈の概説、鍵盤楽器、
弦楽器、管楽器、歌唱の専門的な章に続きます。

最後の章で、原典資料とエディションを論じています。

複数の寄稿者による、詳細な研究の成果が著され、
しかも音楽家が執筆しているところも特徴でしょう。

残念ながら本書にはCDは付属されていませんが(原書には付属)、
紹介されているCDの解説もなかなか興味深いです。

ちなみに、シリーズの既刊書をご紹介してみましょう。

★参考『 バロック音楽 歴史的背景と演奏習慣 』

★参考『 古典派の音楽 歴史的背景と演奏習慣 』

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◆(2)ロマン派の音楽を幅広い視点で学べる一冊

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ピアノを学んだ人であれば、ロマン派の音楽は、
かなり深く勉強された方が多いことでしょう。

私もショパンを修士論文のテーマに選んだだけに、
ロマン派の音楽についてはそれなりに勉強しました。

ただ、その多くは鍵盤楽器の作品にとどまり、
他の楽器や作品に踏み込むまでは至りませんでした。

あらためて本書を読み、ロマン派の音楽を演奏するには、
その時代全体を「俯瞰」する必要がある。

そして、説得力ある演奏には「知識」が必須であり、
それは究極的には自分が発する「音」に表れる。

そんなことを感じました。

本書は、鍵盤楽器はもちろん、弦、管、歌唱の分野まで
幅広く取り上げてロマン派の音楽を論じています。

ピアノに携わる人は、他の楽器とのアンサンブルや
歌の伴奏に取り組まれることも少なくないでしょう。

この点、本書で他楽器についても学ぶことで、
現場での演奏に活かすことができそうです。

「記譜法と解釈」の章や「原典資料とエディション」が
個人的にはかなり勉強になりました。

少々値段的には高めな書籍ではありますが、
できることなら3冊揃えておきたいほどの内容。

ご興味のおありの先生は、
お手に取ってみてはいかがでしょうか。

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『 ロマン派の音楽 歴史的背景と演奏習慣 』アントニー・バートン・編

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◆(3)編集後記

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昨日、階段で足を踏み外したときに、
変に手をついたのか、薬指を突き指してしまいました…

それほどひどくはないのですが、腫れたために
きちんと曲がらない感じです。

突き指は、中学の頃のバスケット部の経験で、
いわば慣れっこなのですが(笑)

それでもピアノを触る身としては、
ちょっと不注意だったと反省しています。

皆さんも大切な指ですから、
階段には(笑)どうぞお気を付けください。

それでは今日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も素敵なレッスンを。

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