チェルニー100のやさしいレクリエーション

また違ったチェルニーが感じられますね。

★「1冊3分で分かる!ピアノ教本マガジン」vol.379(2015年10月28日配信)より

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『 チェルニー 100のやさしいレクリエーション 』高橋千佳子・解説

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今日ご紹介するのは、

「チェルニー 100のやさしいレクリエーション」

という曲集です。

ピアノ学習者にとって、馴染みの深い練習曲、
といえば「チェルニー」ではないでしょうか。

今回はそのチェルニーの教材のご紹介です。

※作曲家の名前の表記はいろいろありますが、
今回は版元の表記に従っています

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◆今日のチェックポイント◆
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巻頭の「はじめに」から引用すると、

「バイエルにもお楽しみのための併用曲集があったように、
チェルニーにもこの『レクリエーション』がありました。
気晴らしにお楽しみいただく曲集なので、当時の有名曲が
簡単に弾けるように編曲されています。根気のいる指の練習
が終わったら、ごほうびとして、楽しみながら楽に弾ける曲
をどうぞ!という意図がうかがわれます」

とあります。

また同じ「はじめに」から本書の特長を挙げてみると

●18~19世紀の大ヒット新作オペラのアリアが満載
●ハイドン、モーツァルトなど18人の作曲家の名曲が
ピアノ用に易しく編曲されている
●民謡や舞曲、国歌までも収載されている
●短い曲が大半を占めている
●難易度順に並んでいるので初心者も取り組める

タイトルの「100のやさしいレクリエーション」に
あるように、本書には100曲の作品が収載されています。

巻頭には「各曲について」という詳細な解説
100曲すべて掲載されています。

また巻頭の「より豊かな表現を目指して」の部分では、
解説の高橋千佳子先生による使い方の提案があります。

1)「歌って」みましょう
→歌う習慣を身につけるには簡潔なものから始めるのが一番

2)「ドミナント」を感じましょう
→フレーズの基本構造を耳で感じ取る

3)「ドミナントペダル」を聴きましょう
→属音による保続音を見つけ、味わう

4)「形式」を聴きましょう
→短い曲で形式を学ぶ

5)「移調」してみましょう
→移調は早い時期から経験しておくといい

6)「初見」をしましょう
→簡単な和声構造や短いメロディは初見にうってつけ

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◆(2)チェルニーによる「お楽しみ」曲集

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この曲集は、音楽之友社から出版されている、
「標準版ピアノ楽譜」シリーズの一冊

「New Edition」として刊行されています。

本書は「初歩者のためのレクリエーション」という
タイトルで出版されている曲集の新版です。

既刊の楽譜を使用されている先生も、
いらっしゃることでしょう。

注釈的に書かれている「楽譜について」から
この新版についてご紹介すると

●チェルニーの生前にボンのジムロック社から
出版された版を底本に使用した

●従来の国内版は95曲を収録しているが、本書では
割愛されていた5曲を加えて本来の全100曲とした

こうした取り組みは、よりチェルニーの記譜に近づき、
使用者の、当時の版の深い理解へとつながるでしょう。

ある著名な先生が、この曲集は優れた教材であり、
レッスンで活用しているとおっしゃっていました。

たしかに、こうした簡潔な初歩者むけの作品から、
多くの「基礎的な部分」を学ぶことができます。

子どもはもちろん、大人のレッスンでも、
様々な活用法が見いだせそうです。

ただ、多少音符のたまや譜面が小さい印象があるので、
初歩者への使用の際にはフォローが必要でしょう。

練習曲とは違ったチェルニーが感じられる一冊。

ご興味のある先生は、一度お手に取って
みてはいかがでしょうか。

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『 チェルニー 100のやさしいレクリエーション 』高橋千佳子・解説

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◆(3)編集後記

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今回ご紹介の「100のやさしいレクリエーション」。

解説されているのが、長年ソルフェージュ指導に
携わってこられている高橋千佳子先生

日本ソルフェージュ研究協議会の理事でもいらっしゃいます。

そんな高橋先生ですが、弊社の「ピアノ講師ラボ」
来月11月号の対談にてご登場されます。

「音を感じ耳を育てるソルフェージュレッスンの実践」

ピアノのレッスンで、いかに子どもたちに
効果的にソルフェージュを指導するか。

和音を味わわせる方法やグループレッスンで
実践すると盛り上がるネタなど満載です。

ちなみに、10月31日までにご入会の先生は、
この高橋先生の対談音声教材からスタートできます。

★「ピアノ講師ラボ」の詳細はこちら

今日から生かせるお話の数々、会員様は
ぜひお楽しみにしていてください。

それでは最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も素敵なレッスンを。

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★10/31までにご入会の先生は高橋千佳子先生の教材からスタート!
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