おはようございます。
株式会社リーラムジカ代表取締役の藤 拓弘です。

今日ご紹介するのは、

「Aをください―ピアニストと室内楽の幸福な関係」

という本です。

ピアノは一人で演奏することが
多い楽器ではありますが、

それだけに、とても貴重になるのが、
室内楽の経験ですよね。

今回は室内楽やピアノ演奏についての書籍のご紹介です。

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◆今日のチェックポイント◆
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本書の巻頭の「はじめに」から引用すると、

「この本には、音楽家、教育者として
私が考えていること、学んだこと、理想と
思っていることなどを綴ってみました
(中略)全編を流れる主題は、私の視線
から見た室内楽の重要性、楽しさです」

とあります。

著者は、ピアニストで桐朋学園大学の
教授でもある練木繁夫先生。

練木先生は、ソリストとしてはもちろん、
室内楽の演奏家としても幅広くご活躍です。

本書は、タイトルにもあるように、
「室内楽」をメインテーマとした書籍。

数々の名演奏家と共演された、
練木先生による室内楽論。

様々な楽器の奏法から学ぶ、
ピアノの表現方法についてや、

アンサンブルの目線から見た、
ピアニストのあり方、

実際のピアノの弾き方や、
テクニック、様式などはもちろん、

ピアノ室内楽の歴史までを辿る、
幅広い内容となっています。

本書の内容を目次からご紹介してみましょう。

■PART1 パートナーシップでいこう!

●第1章 室内楽ピアニストの領分
●第2章 アンサンブルのテクニック
●第3章 弦楽器の奏法に学ぶ
●第4章 練習室から演奏会場へ

■PART2 ピアニストの視線

●第5章 ピアノに向かう身体のこと
●第6章 弾きながら音を創る
●第7章 楽譜を読み込む
●第8章 さまざまなスタイルを読む

■PART3 〈ピアノ室内楽〉の歴史

●エピローグ

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◆(2)室内楽はもちろん、ピアノ演奏の極意が詰まった一冊

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私も数は少ないながら、
室内楽の機会をいただき、

弦楽器や管楽器など、
さまざまな楽器の方と、

音楽を創る喜びを味わった経験があります。

ピアノは押せば音が出る楽器ですが、
他の楽器はそうはいきません。

室内楽における「合わせる」喜びを
感じるためには、

それぞれの楽器の特性を知ることはもちろん、

音楽性や相手の音を聴く耳、
合わせのテクニックなど、

たくさんのものが必要であり、

それだけに室内楽の経験から、
幅広く学ばせていただきました。

そこで本書。

「室内楽ピアニスト」としての目線から、
何をどのように弾くべきか、

他の楽器の奏法から学べること、
バランスのとり方、音の創り方など…

豊富な内容で、ピアノ演奏に切り込んでいます。

具体的な内容は、
ぜひご一読いただきたいのですが、

私が特になるほどと思った内容をあげてみると、

●室内楽におけるバランスのポイントは、
フーガを演奏するときの要領と似ている

●奥行きを出すには、発音がハッキリしない音、
声に出すなら口を丸くして奥まったO音を持ち合わせるとよい

●ペダルを使って出す音は、倍音と
共鳴し合って波動を起こしているのである

●音を切るためのペダリングこそ、
演奏家の持つ隠し味的な効果になる

●優しく柔らかい音を出すときには、
長い鍵盤を押しているという意識を持つ

●フォルテという記号は音量記号ではなく、
音質の記号であるべきなのである

●こちらが正しい読み方をしていれば、
作曲家自らが音楽をしゃべり始めてくれる

といった感じでしょうか。

たくさんの演奏の秘訣が詰まった書籍。

現在、手に入りにくい本となっていますが、

ピアノを弾く人はもちろん、
指導者にとっても有益な一冊でしょう。

気になった方は、ぜひ一度
お手に取ってみてはいかがでしょうか。

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『 Aをください―ピアニストと室内楽の幸福な関係 』 練木繁夫・著

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◆(3)編集後記

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今回ご紹介した「Aをください」
の著者である、練木繁夫先生

来月11月号の「ピアノ講師ラボ」に
いよいよご登場です。

素晴らしい演奏活動はもちろん、
桐朋学園大学教授でもある練木先生。

ソリストとしてはもちろん、
室内楽の演奏家としても幅広くご活躍で、

数多くの名盤CDを出されています。

今回は、ピアニストの練木先生に、
美しい音色で演奏できる秘訣や

指導の秘訣の数々をお話いただきました。

実際の演奏も交えていただきながらの対談、

ピアノ指導はもちろん、ご自身の演奏にも
活かせるお話ばかりですので、

ぜひ楽しみにしていてください。

なお、こちらのページでは、
練木先生の対談からダイジェストをお届け。

対談がどんな感じのものか、
ぜひ体験してみてください↓

★「ピアノ講師ラボ」2021年11月号

(↑試聴可能は10月31日まで。お急ぎ下さい)

それでは今日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も素敵なレッスンを。

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