おはようございます。
株式会社リーラムジカ代表取締役の藤 拓弘です。

今日ご紹介するのは、

「新版 モーツァルト 演奏法と解釈」

という書籍です。

モーツァルトの音楽は世界中の人に愛され、

ピアノのレッスンにおいても、
重要な作曲家の一人ですね。

今回は、モーツァルトの
演奏法と解釈に関する書籍のご紹介です。

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◆今日のチェックポイント◆
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巻頭の「日本語版に寄せて」から引用すると、

「旧著が出版されてから、すでに50年以上の時間が
流れました。以来、日本語版が他のどの言語よりも
多く出版され、愛読されていたのです(中略)
“クラシック”な音楽家の数はさらに少なくなり、
危機的な状況に陥っています。私どもにできることは、
今までよりもっと美しく演奏することによって、
浅薄なものに対し、より深い、真摯な音楽の
存在価値を示していくことです。こうした
さまざまな思いから、私どもは旧著にまとめた
モーツァルト研究をさらに拡大し、
加筆校訂を施すことにしました」

とあります。

著者は、ウィーンの名ピアニスト、
パウル・バドゥーラ=スコダ、

そして、妻で音楽学者として名高い
エファ・バドゥーラ=スコダ。

監訳は、ピアニストの今井顕先生です。

タイトルに「新版」とあるように、

原著は1957年、日本語版は1963年に
刊行された書籍の新版です。

旧著の出版から、すでに50年以上。

資料の状況の変化や、その後の
モーツァルト研究などの新しい情報をもとに、

大幅に加筆校訂が施されたのが本書。

帯にもあるように、
装飾音や強弱、カデンツァなど、

モーツァルトの作品の演奏にあたっての
実践的なアドバイスが満載です。

本書の内容を「目次」からご紹介してみましょう。

【目次】

日本語版に寄せて
第1版への序
本書で言及される主な資料・文献
日本語版の凡例

はじめに
第1章 モーツァルトの響きの世界
第2章 デュナーミク(強弱)
第3章 テンポとリズムの問題
第4章 アーティキュレーション
第5章 装飾音
第6章 即興的装飾
第7章 カデンツァとアインガング
第8章 「表現と趣味」
第9章 最良のテクストを求めて
第10章 オーケストラとの共奏
第11章 ピアノ作品における技術的問題
第12章 いくつかのピアノ作品の演奏解釈
付録 

参考文献一覧
監訳者後記
作品索引

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◆(2)モーツァルトを演奏するすべての人にとってのバイブル

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モーツァルトといえば、中学生の頃に観た

「アマデウス」

という映画に衝撃を受けました。

抱いていたモーツァルトのイメージとは
まったく違ったことへの驚きはもちろん、

あらためてモーツァルトの作品の
素晴らしさに感銘を受け、

何度も繰り返し鑑賞した記憶があります。

さて、そこで本書。

長年のモーツァルト研究によって
得られた知見が満載の一冊。

モーツァルトの時代の鍵盤楽器から始まり、

強弱やテンポとリズムの問題、
アーティキュレーションや装飾、

さらに、音階やアルペッジョ、トリルなどの
ピアノ作品における技術的問題や、

ピアノソナタK.310やK.331の
演奏解釈についてなど、

豊富な内容が詰め込まれています。

特筆すべきは、その読みやすさ。

やわらかく、分かりやすい日本語で書かれており、
理解を深めながら読み進めることができます。

さらに、随所に「参考音源番号」が付されており、

パウル・バドゥーラ=スコダによる解説や
実際の演奏を聴くことができます。

書籍を読みながら演奏を聴くと、
より理解が深まりますね。

★「新版 モーツァルト 演奏法と解釈」特集ページ

どの章も有益ですが、個人的に、
ピアノコンチェルトについて書かれた、

「オーケストラとの共奏」

については、興味深く読みました。

ピアニストはもちろん、モーツァルトを演奏する
すべての人にとってバイブルとなる一冊。

ご興味があれば、お手に取ってみてはいかがでしょうか。

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『 新版 モーツァルト 演奏法と解釈 』エファ&パウル・バドゥーラ=スコダ・著、今井 顕・監訳

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◆(3)編集後記

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あっという間に3月も後半となりました。

桜の花が風に揺れて、青空に綺麗な
ピンク色を落としています。

さて、来月の「ピアノ講師ラボ」は、

今号でご紹介した書籍を監訳された、
ピアニストの今井顕先生がご登場です。

今井先生は、16歳でウィーン国立音楽大学に入学、

数々の国際コンクールで受賞され、
コンサートピアニストとしてご活動をされています。

ピアノ教育にも携わり、現在は、
国立音楽大学の名誉教授でもいらっしゃいます。

前回の3月号に引き続き、
今回は「後編」として今井先生に、

「本当の楽譜の読み方」

について、さらに詳しくお聞きしてみました。

全音からの「ソナチネアルバム」「ソナタアルバム」
の校訂もされている今井顕先生。

対談では、原典版の魅力やその使い方について、
具体的な指導法など詳しくお聞きできました。

ちなみに「4月号」の主な内容をご紹介すると…

【CD1】

1・あらためてピアニストの今井顕先生のご紹介
2・作曲家の意図を大切にした今井先生校訂の「ソナチネ・アルバム」
3・知っておきたい「dolce」の本当の意味とは?
4・「ソナチネ」をきちんと弾けると受けられる恩恵
5・目からウロコの「トリル」の弾き方について
6「ソナタ・アルバム」の校訂のポイントは「ペダル」だった!

【CD2】
1・ベートーヴェンの「月光ソナタ」に見る深層心理とは?
2・「Largo」に込められた本当の意味とは?
3・自分の楽譜に書き込むとそれが「歴史」となる
4・恩師スコダ先生の「新版モーツァルト演奏と解釈」
5・緊張とはそのときたった一回しかない「宝物」である
6・これからのピアノ指導者に必要なものとは?
7・今井先生のこれからの「ビジョン」は?
8・今井顕先生にとっての「プロフェッショナル」とは?

今回ご紹介の「新版モーツァルト演奏と解釈」
についての詳しいお話もいただいています。

また、ソナチネ、ソナタを教える先生は必聴ですね。

詳しくは、以下のリンクからご覧ください。

★「ピアノ講師ラボ」2021年4月号は今井顕先生の対談の「後編」!画像をタップ↓

それでは今号も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も素敵なレッスンを。

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