おはようございます。
株式会社リーラムジカ代表取締役の藤 拓弘です。

今日ご紹介するのは、

「ショパン バラード ナショナル・エディション日本語版」

という曲集です。

ショパンの作品の演奏に関して、
いろいろと話題となるのが「版」ですね。

作品と向き合うときに、どの版を使うのか…

多くの人が悩むところでしょう。

今回は、いわゆる「エキエル版」の日本語版のご紹介です。

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◆今日のチェックポイント◆
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本書の巻頭の「監修者のことば」から引用すると、

「ショパンのナショナル・エディションは
ヤン・エキエル教授がポーランドの国家事業
として、その生涯をかけて編纂した原典版
楽譜全集です。これは、人類の至宝ともいえる
ショパンの芸術を余すところなく現代に伝える
貴重な楽譜集となっています」

とあります。

校訂は、ショパン国際コンクールの
審査委員長も務めた、

ポーランドのピアニストであり、教育者、
そして研究者のヤン・エキエル教授。

版元の全音楽譜出版社には特設ページがあります。

●全音楽譜出版社さま特設ページ

このページにおける、

「ナショナル・エディションについて」

の部分から引用すると、

「ヤン・エキエルとパヴェウ・カミンスキが、
ショパンの自筆譜から弟子の楽譜に書き込まれた
メモまで、あらゆる資料を精査・比較・検討して
編纂した原典版(通称エキエル版)」

とあります。さらに、

「ポーランドの国家事業として1960年より
エキエルが中心となり制作が進められ、
その信頼性の高さから『ショパン国際コンクール』
の推奨楽譜としても採用されています」

とあります。

巻頭に掲載されている、

「演奏に関する解説」
「原資料に関する解説」

では、エキエルとカミンスキによる、
詳細な研究成果が紹介されています。

なお、今回ご紹介の「バラード」の他にも、
「ワルツ シリーズA」はすでに刊行、

●参考「エキエル版 ショパン:ワルツ シリーズA」

今後は「ノクターン」「スケルツォ」
「エチュード」など順次発行の予定のようです。

本書に掲載されている作品は以下の通りです。

●バラード g-moll Op.23
●バラード F-Dur Op.38
●バラード As-Dur Op.47
●バラード f-moll Op.52

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◆(2)「エキエル版」の日本語版がいよいよ全音楽譜出版社から刊行

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ショパンといえば、パデレフスキ版を
想起される方も多いかもしれません。

私も、学生の頃は主にパデレフスキ版で
ショパンを勉強しました。

ただ、いろいろと考える部分もあり、

ショパンの真髄に迫るために、
他のさまざまな版にあたったりと、

自分なりにいろいろと工夫していましたね。

さて、そこで本書。

いわゆる「エキエル版」と言われる、
のナショナル・エディション日本語版が、

いよいよ全音楽譜出版社より刊行です。

エキエル教授による、生涯をかけた
研究に基づいた「原典版楽譜全集」。

今回ご紹介は「バラード」集。

数あるショパンの名曲のなかでも、
人気の高い作品と言っていいでしょう。

私もいろいろ弾いてきましたが、
今回の「エキエル版」の

「原資料に関する解説」

を読みつつ、楽譜を細かく見ていく体験は、

あらためてショパンの音楽に迫る
貴重な時間となりましたね。

また、ショパンの音楽的創造性の
多様性をあらためて強く感じました。

監修は、ピアニスト・研究者である加藤一郎先生。

「監修者のことば」にもありますが、

●各巻の最新のポーランド語版楽譜を日本語に翻訳

●以前の版には見られなかったエキエル教授による
最新の研究成果を、脚注や解説で詳細に説明

ショパン作品を学習するときはもちろん、

ショパンの資料研究においても、
価値の高い内容となっています。

ショパンのバラードを勉強している方はもちろん、

ピアノ指導者にとっても有益な一冊。

ご興味があれば、お手に取ってみてはいかがでしょうか。

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『 ショパン バラード ナショナル・エディション日本語版 』ヤン・エキエル校訂

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◆(3)編集後記

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関東も今年の梅雨入りは早そうですね…

気温も、肌を通る風も気持ちよい季節を、
もう少し楽しみたいと思っていましたが、

あっという間に夏がきそうです。

湿気も増えるこれからの季節は、
ピアノのメンテナンスも必要ですね。

どんな天気もそのときだけの恵み、

毎日を大切に過ごしていきたいですね。

今日も最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も素敵なレッスンを。

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