吉松隆の~

音楽に携わる人、ピアノを弾く人にとって、
「調性」は興味深いテーマだと思います。

この点について、知識を深めたい方にとっては、
本書は有益かもしれません。

本日配信の教本メルマガからのご紹介です。

★「1冊3分で分かる!ピアノ教本マガジン」vol.336(2014年12月17日配信)より

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『 吉松隆の調性で読み解くクラシック 』 吉松隆・著

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今日ご紹介する教材は、

「吉松隆の調性で読み解くクラシック」

です。

クラシック音楽において、演奏にも鑑賞にも
ひとつのポイントとなるのが「調性」

調性によって弾きやすかったり弾きにくかったり、
また感じるものも変わってくるのが不思議です。

今回は、現代作曲家が考える「調性」についての
書籍のご紹介です。

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◆今日のチェックポイント◆
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この書籍の「はじめに」から引用すると、

「『調性』というのは、そんなに曲の内容を左右するほど大事な
ものなんだろうか?(中略)それから『長調』と『短調』という
のもちょっと不思議だ(中略)ちょっと耳のいい人は、ハ長調は
『白色』、ト長調は『緑色』などと色が付いて聞こえるなどとい
うことがある(中略)でも、『そんな風に感じる』のは人それぞ
れだから否定しないとしても、その『色』にはどういう根拠があ
るのだろう?(中略)この書では、そんな『ハーモニー』や『調
性』の謎と秘密について、独断と私見も含めて解説してゆこう」

とあります。

書籍の構成としては、最初に音楽の基本的な部分の解説、
楽器からみた調性、科学的な部分、各調性の詳しい解説。

最後にそれぞれの調性の特徴と、その調性を使っている
名曲を挙げて解説をしています。

目次から引用すると、

はじめに
【scale1】調性とは何か?~メロディからハーモニーへ
【scale2】楽器からみた調性~得意な調と苦手な調
【scale3】科学的にみた調性~自然倍音から音階、平均律へ
【scale4】調性の歴史~聖歌から機能和声へ
【scale5】調性に関するエトセトラ~東洋の調性から天体の音楽まで
【scale6】それぞれの調性の特徴と名曲~長調、短調から微分音階まで
おわりに

といった感じです。

なお、巻末記載の通りこの書籍は、2010年9月に刊行の

「『運命』はなぜハ短調で扉を叩くのか?」

を文庫化したものです。

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◆(2)調性に関する疑問を様々なアプローチで解説

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私も以前から、それぞれの調性から感じるものが違う、
ということを不思議に思っていました。

また、調性や音にある特定の「色」を感じる人もいる、
という話を聴いたこともあります。

さらに、ある作品を学ぶときに、

「なぜ作曲家はこの調を選択したのだろうか?」

と疑問に思うことも度々ありました。

そうした「調性」をテーマに幅広く音楽について
著したのが本書です。

私が参考になった部分を挙げてみると、

●作曲家が曲を書くときの調性の選び方
●ヴァイオリンはヴィオラを携帯用に小さくしたもの
●移調楽器のしくみについて
●弦楽器はシャープ系の調が演奏しやすく鳴りやすい
●楽器の鳴りにくさであえて調を選ぶことも
●ショパンがフラットの多い調で書いた理由
●純正律と平均律について
●日本の「調」にまつわる話

ただ、調性から感じるものは人それぞれであり、
いろいろな考え方もあるのは事実。

著者自身も「おわりに」に、

「この書は、調性についての入門書ではあるものの(中略)
現代の最新の研究を紹介したものでもない。ひとことでい
えば、現代の音楽の世界で40年ほど作曲家をやってきた著者
が、その経験から到達した調性についての「私見」である」

と書いており、本書の内容に関しては、考え方の一つ、
調性という視点を音楽を聴く新しい楽しみ方のひとつ、
と捉えて欲しい、という思いを記しています。

いずれにしても、多角的な視点で音楽を楽しみたい、
という人には面白い書籍ではないでしょうか。

また繰り返しになりますが、本書は既刊書

「『運命』はなぜハ短調で扉を叩くのか?」

を文庫化したもの。この書籍をすでに持っている方は、
留意する必要があるでしょう。

興味はあったけど未読だった方の中には、
文庫化が嬉しい人もいるかもしれません。

「調性」にご興味のあるピアノの先生は、
ページをめくってみてはいかがでしょうか。

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『 吉松隆の調性で読み解くクラシック 』 吉松隆・著

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