おはようございます。

株式会社リーラムジカ代表取締役の藤 拓弘です。

今回ご紹介する教材は、

「シューマン ピアノ曲集 VI【New Edition】」

という曲集です。

数々の名曲を残しているシューマン。

このブログをお読みの先生にも、

シューマンがお好きな方も多いでしょうね。

今回は、シューマンのピアノ曲集のご紹介です。

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◆今日のチェックポイント◆
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巻頭の「各曲アナリーゼ」から引用すると、

「シューマンの創作姿勢の大きな特徴として、
寓意や象徴を楽想に託す『文学的』『ロマン的』
指向性と、徹底した即物的操作による造形への
拘りを挙げることができる。本巻に収録された
二作品は、後者が前者を封じ込めるかのように
前面に押し出されているという点において、
とりわけ特異な存在感を示すものだと言えよう」

とあります。

巻頭の注釈に、

「本版は、初版譜、クララ・シューマン版、

各種原典版を可能な限り参照した上で、

実用版として作成した音楽之友社オリジナル版」

とあります。

シューマンのピアノ作品の数々を

新しい切り口で編纂した音楽之友社の

「標準版ピアノ楽譜シリーズ」からの一冊。

本書で、全6巻のシリーズが完結したようです。

これまで同シリーズをすべてご紹介してきましたね。

★参考「シューマン ピアノ曲集I New Edition」

★参考「シューマン ピアノ曲集 II New Edition」

★参考「シューマン ピアノ曲集 III New Edition」

★参考「シューマン ピアノ曲集 IV New Edition」

★参考「シューマン ピアノ曲集 V New Edition」

帯にある【本書の特長】から引用すると、

■2作品を収録

シューマンのピアノ名曲を、共通する世界観によって選曲。
キーワードに沿って読み解くことで、今まで知らなかった
シューマンが見えてくる!

■文学的な視点

シューマンに不可欠な文学とのつながりを、
ドイツ文学者の識名章喜が解説。
第6巻のテーマは「音楽の技巧と機械の技術」。

■アナリーゼの視点

音から見えてくるシューマンの意図を、作曲家の町田育弥が解説。
実際の演奏に役立つこと間違いなし!

■諸資料を参照

初版譜、クララ・シューマン版、各種原典版を可能な限り参照し、
実用版として作成した音楽之友社オリジナル版。

本書が、シリーズ完結となる「第6巻」で、

「第6巻」では、以下の2曲を収載しています。

●トッカータ Op.7
●交響的練習曲 Op.13

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◆(2)シューマンのピアノ作品の「標準版」シリーズがいよいよ完結

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私も学生時代、シューマンの作品に惹かれ、

さまざまな作品に手をつけていました。

今回の曲集に収められている

「交響的練習曲」もその一つ。

シューマンの作品を演奏する上で大切なのは、

彼の世界観にどれだけ近づけるか。

時代背景や作曲の意図を理解しつつ、

その作品に込められた真意を読み取ること。

学生時代には、およそそこまでは

到達できなかったものの、

シューマンの深淵な世界に浸りながら、

難曲に対峙したのがいい思い出です。

そこで本書。

初版譜やクララ・シューマン版、

各種原典版を参照して制作された、

音楽之友社オリジナル版が本書です。

運指は、ドイツのピアニストで、リストの高弟の、

エミール・フォン・ザウアーによるもの。

本書では、

●トッカータ Op.7
●交響的練習曲 Op.13

を取り上げています。

解説は、作曲家の町田育弥先生のアナリーゼの視点を、

文学的な視点を、ドイツ文学者の識名章喜先生が執筆。

作曲家と文学者という2つの視点から見つめ、

深い理解につなげる解説となっています。

本書の帯に、

「2つの作品を解くキーワードは……

機械文明への憧れと恐怖」

とあります。

ヴィルトゥオーゾが注目された時期に、

作曲された練習曲を収載。

(「トッカータ」も元は練習曲と呼ばれていたそうです)

識名章喜先生による、

「音楽の技巧と機械の技術」

では、この2作品の背景にあるものを

端的に知ることができます。

町田先生の解説も、各曲に散りばめられている技法や、

実際の演奏に役立つ解説が満載です。

学生の頃に、こうした解説があれば

よかったなとあらためて思いますね。

ご興味があれば、お手に取ってみてはいかがでしょうか。

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『シューマン ピアノ曲集 VI【New Edition】】』町田育弥・識名章喜・解説

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◆(3)編集後記

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私のYouTubeチャンネルでは毎週一曲ずつ、

ピアノ演奏をアップしています。

★藤拓弘の演奏動画リストはこちら

今回は、フォーレの「言葉のない三つのロマンス 第三 Op.17-3」を。

楽譜は全音楽譜出版社さまの「フォーレ ピアノ小品集」です。

この「フォーレ ピアノ小品集」には、

今回の「言葉のない三つのロマンス 第三」の他に、

●ピアノのための小品 第五 即興曲
●シシリエンヌ
●ドリーより第一 ベルスーズ(子守歌)
●パバーヌ

が収載されています。

本書の解説によると、

この「言葉のない三つのロマンス 第三」は、

メンデルスゾーンの「無言歌」に相当する

三部分形式の単純な小曲、とあります。

「語らざるロマンス」という言葉もあり、

なるほど、このイメージがぴったりだと感じました。

さらりと弾いてもよさそうだったのですが、

あえて少し濃厚さを加えて弾いてみました。

大人の生徒さんに与える作品としていいでしょうね。

★フォーレ
「言葉のない三つのロマンス 第三 Op.17-3」

それでは今号もお読みいただき、

本当にありがとうございました。

今日も素敵なレッスンを。

いつも本当にありがとうございます。

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